長崎バスジャック事件と当時のニュース映像

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「長崎バスジャック事件」・・・日本で初めて起きたバスジャック事件としてニュースの特別番組やドキュメンタリーでよく取り上げられるのですが私が生まれる前のことでありながら出身の長崎で起きたことや、自身がバス好きであることもありこの事件の概要を調べたり写真や映像を探していました。どちらかというと犯人やその目的というよりもこの事件を中継したときのテレビ映像の方に興味がありました。

 

事件の概要

 

事件に関してはwikipediaや当時の取材記事や映像で詳しく知ることが出来ますが、赤軍を名乗る2人組の犯人がバスの乗客を人質にとり、警察との攻防で犯人の一人が射殺され、乗客は全員救助されるという内容でした。長時間に及ぶ監禁や犯人や警察との交渉など今見ても生々しいです。午前中に発生してバス突入が深夜を経て翌朝という15時間以上の攻防になるのですが乗客・警察・犯人それぞれの立場においても精神的にも肉体的にも疲弊するもので、それを元々放送していた番組を中断して中継していたテレビ局の映像が、銃撃戦やバスへの強行突入など、ドラマや映画で見るようなものをはるかにしのぐ迫力のあるものでした。

 

VTRとフィルムが混在する映像

当時の事件の映像を見ていると「生放送で見ているような今っぽい映像」と、いかにも昔の事件のような「古ぼけた風の映像」が混じっていて、両者の質感がかなり違うため、なんで映像の質が統一されていないのだろうかと子供の頃に思っていたのですが1977年当時だとニュースの取材にはフィルムカメラを使用していたのもあり、普段のビデオカメラとは違っていたのだなと後になって知りました。まだニュース取材の場合だと フィルム>VTR の比率だったのかな。

 

 

上記の映像は当時長崎のテレビ3局(NHK長崎放送局、NBC長崎放送、KTNテレビ長崎)が突入時の映像を納めたのをまとめた動画ですが、最初に出てくるNBCの映像がVTRとフィルム映像がそれぞれ映っていてわかりやすいと思います。そして2番目のKTNだとバス後方から撮影したものがVTRのきれいな映像で状況が生々しく映っています。3番目のNHKだと全編フィルム映像で全体的に画面が暗く、当時生中継していたというよりは歴史映像的な雰囲気が伝わってきます。

 

動画サイトで見られる長崎バスジャック事件

先にあげたニコニコ動画の映像とは別にYoutubeにも多数のバスジャック事件動画が上げられています。報道特番やニュース史のなかで簡単に紹介するものから、最近放送された番組では当時の映像に加え、再現ドラマや事件にかかわった警察関係者、バスの乗客へのインタビューした詳しいものまで揃っています。

 

ニュース史からの抜粋、NHKの映像で全てフィルム映像である

 

「よみうりニュース」  当時のニュース番組そのままの映像 KTNの映像を使用している

 

バスジャックの車両が現存していた

 

バスジャック事件に襲われた車両は西肥バスで運用されていた三菱ふそうMP517M・F623号車で、事件当時は新車状態であり、その後も普通に路線バスとして走っていました。1995年に引退した後は山奥でひっそりと余生を過ごしていたそうです。最近になってツイッターでも廃バスとして取り上げられていてその後東京スポーツによって全国的に報じられました。

現在そのバスの所有者・関係者が車両を保存目的で廃車状態だったものを移動させるため隠密に作業をしようとしていたところだったそうです。しかし東スポにこの情報を流したというものがいたため、近隣住民や関係者への配慮なくこのバスを見に来たりバスへの破壊行為などが懸念されているようです。私もこのバスがちゃんとした形で残されていくというのを見守りたいです。

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