自分は学生時代は不登校になりたいと思いつつも無理して学校に通っていたため、その反動からかとっくに社会人となっている現在は人に会わない、就職もせずずっとアパートにこもりっきりな生活が続いている。
元々社会に馴染めない性格で、周りの人ともウマが合わずどうしていいかわからないような状態だったがもし当時この本を読んでいたらもう少しマシな人生を送れたかもしれないなと過去の自分を分析している。
ひきこもりについては専門家をはじめいろんな分野の人が語っているが、その引きこもる人を「問題ある人」扱いしてけしからん、早く社会復帰をさせるように誘導するようなものが多く、引きこもっている人自身の気持ちは無視されているような印象が強い。世間の周りに合わせないといけない、空気を読まないといけないみたいな風潮に疲れてしまい無気力になった人が多いのではないかと思う。
この「ひきこもれ」というのはひきこもることを推進しているのではなく、自分の性格を自覚し世間と上手く折り合いをつけて生きていく為のアドバイスというか、躍起になっている当事者からもっと離れた位置から語っているような感じで、元々の性格、親との関係、学校での出来事などいろんな面から分析された印象である。
ひきこもりが悪いというのではなく、感受性の強い人に宛てた淡々とした本で、思い当たる節のある人にとってはスラスラ読めると思う。
ひきこもれ―ひとりの時間をもつということ (だいわ文庫) 吉本 隆明 大和書房 2006-12-10by G-Tools |
コメント