8ミリ映画年鑑はその年に発売されたカメラや映写機などのシネ機材や8ミリ業界の動きや技術解説などを扱った雑誌で1975年から1980年まで発行されました。
その後は8ミリブームが衰退したためか、81年の月刊小型映画誌に1つの特集として扱われましたがその後は82年末の休刊もあり、8ミリ業界を見渡したような雑誌は見当たりません。
年を追うごとに8ミリカメラや映写機等がサウンド機能やコンピューター制御などの技術を蓄えて進化していく過程がわかります。また過去の機材についてもいくつか取り上げられているので8ミリ史として重宝しました。ここでは当方が所有する8ミリ年鑑を紹介します。
小型映画年鑑’75
1975年当時に発売されていたシネ機材の他に、8ミリカメラのメカニズムに関する変遷史を掲載。サウンド機構や暗いところでも映せるXL機構と専用フィルムなどについての記事も多い。
小型映画年鑑’76
8ミリカメラと映写機のメカニズム用語集や映写機の発達史を掲載。この時代あたりからサウンド機が主流になりサイレント機のシェアが逆転しはじめている。
8ミリ映画年鑑’77年版
サウンド機ではスーパー8が先行していたものの、この年にシングル8のサウンド機が登場して活気があった。他には8ミリフィルム変遷史やビデオに関する記事も掲載。
8ミリ映画年鑑’78年版
オートフォーカス、ポラビジョン、2トラックシステム等の語句が並ぶこの年は8ミリマニアが愛用している機材の紹介やアンケートによる人気カメラ・映写機を発表している。
8ミリ映画年鑑’79年版
「マイコン」をキーワードとした、自動化される8ミリ機材の今後や、固定焦点式カメラを使うビギナーとズームを備えた多機能カメラを使うプロフェッショナルのような8ミリ愛用者の二分化についても書かれている。
8ミリ映画年鑑’80年版
1980年代の8ミリ界を展望したコラムがあり、そこにはサウンドカメラ機の普及・一般家庭への浸透も一段落し、機材開発のペースが遅れてきていることやサウンドカメラの功罪、本格的な映像製作に適したカメラをメーカーに要望するなど8ミリ界というものが岐路に立っていることが伺える。
月刊小型映画 1981年4月号
とうとう増刊としての8ミリ映画年鑑は発行されなくなった。今号においてはユーザーアンケートで使用している機材のメーカー、フィルム規格、カメラに望むことなどを図解している。機材紹介のコーナーには8ミリ末期ともいえるこの時代に発売されていたカメラと共に長年親しまれていた名機も記述されている。
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